アイシングは、捻挫や打撲、膝の痛み、筋肉痛などの怪我の処置だけではなく、パフォーマンス向上やコンディショニングなど、スポーツマンにとって様々なメリットがあります。
メリット① 筋肉の働きを高める
筋肉の温度(筋温)と筋肉の性能(パフォーマンス)には関係があるといわれています。筋温には、パフォーマンスを高めるための適温があり、高すぎても低すぎても質が落ちてしまうという考え方です。
したがって、筋温が過度に高くなる状況(真夏や激しい運動をした時など)でアイシングを行えば、筋温が下がり、コンディションを整えることにつながります。
メリット② 怪我の広がりを抑制する
肉離れや捻挫などを起こすと、怪我をした部位の組織(細胞や血管など)が損傷されるだけでなく、傷ついて漏れ出した細胞液や血液によって、周りの正常な組織の低酸素・低エネルギー状態も招きます。アイシングには、細胞の新陳代謝のレベルを低下させる働きがあるため、怪我の広がり(二次的損傷)を抑えることができます。
メリット③ 痛みを和らげる
アイシングは、血管の拡張や血流を軽減させる働きがあり、膝や肩の慢性的な痛みを和らげることができます。痛みが取り除かれれば、軽い運動をしたり、パフォーマンスを上げたりすることも可能でしょう。ただし、痛みが強い場合は無理に動かすことは避けましょう。
メリット④ エネルギーの浪費を抑える
練習や試合の直後は、血液循環が高く、脈拍数や体温、筋温が高く、細胞の代謝も盛んです。アイシングを行うことで、練習後や試合後の無駄なエネルギーの消費を抑え、過度の疲労を避けることができます。
アイシングには多くの利点がありますが、使い方によっては悪影響を及ぼすこともあります。実施の際は、適切なタイミングや方法で行いましょう。
参考:
・山本利春, 吉永孝徳 スポーツアイシング 大修館書店: 2011
・吉永孝徳 スポーツ・アイシング ナツメ社: 2002
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